ラクール城
2007/11/28(Wed)
レオロザ。
レオンよりむしろボーマンさんがロザリアと関わってるかもなーと思い。
でもものすごく関わってるわけじゃなくて、擦れ違い程度で。
レオロザは妄想全開なんだけど、でも好きだ。
でもくっつかない。相変らずくっつかないカプが好きですね自分。
ロザリア姫はクリスに破談されてるけど、破談されて結果的によかったと思ってるよ!全然不幸じゃないよ!
自由を求めて出歩く王子なんて、真面目な彼女には負担だと思うからなぁ。
腰が異様に細いのはコルセット。普通つけてないけど、貴族だけはまだ。
貴族って、最高級品だけど庶民の流行から一つ後というイメージ。親族の古臭い趣味に従わないといけない部分もあるから。
ロザリアはピンク×白で可愛い系ドレスだけど、きっとこれは親の趣味だ。
SS打ってたけど、案の定グダグダになっちゃったので
以下に収録。推敲は一回しかしてないよ!***
「確か……ジーン」
姫君がうろ覚えの名前を口にすると、男の猫目の如く細い瞳が微笑み瞬いた。
「覚えていただけていたとは、光栄です」
真面目でありながら調子の軽い一礼で、白衣が踊った。
あれは、彼女がまだ子供用のコルセットをつけていた頃だ。
白髭黒髭青髭が並ぶ中、たった一人明らかに若い、青年と呼んでも差し支えがなさそうな男がいた。
当時に新設された薬学研究部の、若き主任補佐という名目を持っていた。年齢を問わず門戸が開かれているのだと嬉しくなったものだ。
しかしたった数年で、一身上の都合で惜しまれながらも城から去り、同時に部署も成り立たなくなった……という記憶が蘇る。
また戻ってきたのかただ立ち寄ったのか、どちらにしてもロザリアは微笑を浮かべた。
「ジーン博士、ご無沙汰ですわね。その後は如何です?」
「まぁ、なんとか。おかげさまで、楽しくやっております」
悪戯っぽい笑顔がほんの少しだけ覗く。きっと、この城にいた頃より今が幸せなのだろう。何も語りはしなかったが、彼の姿はそれを語っていた。
「姫のお美しさも一層輝くばかりで、国民として嬉しく思います」
ジーンは手を差し伸べて、世辞のような台詞を述べる。
それに応え、触れるかどうかという瀬戸際の位置に、手袋越しの熱を伝えた。
「ありがとうございます」
「姫君が美しい国ってのは、やはり守り甲斐がありますからね。どうせなら、キレイな方がいい」
うんうん、と自分で勝手に納得した様子。
国庫を傾けるほどに傾倒するのは理解しがたい行動だが、美しさは彼女の勤めの一環。国の添え物である限りは、他国を圧倒する為の武器なのだから。
そう思っていた彼女にとって、好意的に解釈してくれたのはとても安堵するものだった。
「ロザリアー!」
そこに姫の名前を呼ぶ、若いというより幼い声。声に見合った小柄な足音が、本を抱えてやってくる。
「お、レオン」
どうやら二人は知り合いらしく、男の表情は先程までよりもずっと柔和になった。こちらが彼の本来なのだろう。
レオンは分厚い書物を両腕に抱えながら、気の強い面持ちでこちらに駆け寄って来た。
「ロザリアっ、書庫の新刊こっそり持ってきてあげたよー! って、ボーマンなんでいるのさ!」
「レオンったら……」
つい声が漏れた。聞かれていただろうか、と隣を見やる。
「んな大声でこっそりかよ、あそこのは禁帯出だろが。
じゃあ俺……じゃね、私は姫のナイトに追い払われて、失礼致します。仲良くお過ごしください」
手が離れた。
「……そんな良いものでは、ありませんわ。彼はただ、国の大事な研究員ですもの」
躊躇いがちに、言葉を選ぶようにゆっくりとした声は、彼女が思っていたよりずっと沈み込んでいた。
「レオンと呼びましたよね。博士、じゃなく。ついでに言えばその顔も、答えじゃないですかね?」
紫色の瞳を薄く伏せる。そんなにもひどい顔をしているのだろうか、と己の未熟さに胸が軋む。
「レオンの道はレオンが選ぶべきですもの。私は、彼の成長を助けるだけですわ」
「奴ぁちゃんと選ぶんじゃないですかね。多分、あなたが選ぶ方が肝心だ」
少し厳しい言い方に、そうね、と微笑むしかない。何故知っているのだろうかと疑問に思ったが、動作で心を垂れ流しているのかもしれない。訓練不足だ。
「何話してたのさ!」
少年は、姫にではなく男の方に言いがかりをつける。きつい物言いは姫にはしない、男の子らしく元気なもの。
「大人の話さ」
「お……ッ! こんなの不敬罪執行しちゃえばいいよ、ロザリアー!」
一体何を勘違いしたのか、柔らかい頬を赤く染めてレオンが叫ぶ。
そんな様子に、ロザリアは目を細めて穏やかに笑った。
ああ、なんて愛らしい。
ただそれ充分で、押し止め。
No.180|SO2関連|